月経や妊娠について、分からないことや不安なことがございましたら、お氣軽にお尋ねください。
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多量のプロゲステロンを長期に投与し続けると、デオキシコルチコステロンというホルモン(ミネラルコルチコイドの一種)に転換が始まり、過剰になると胸部の重みや浮腫み、疲労感の原因となり、エストロゲン不足(※)の症状を経験する方がいます。
医師の処方による投与量では、過剰投与になることはほぼありませんが、遺伝的にホルモン変換される方と、長期にわたり過度のストレスを経験された方にまれに起こる可能性があります。
エストロゲンの働きを調整するにはプロゲステロンが必要ですが、少量のエストロゲンがないとプロゲステロンは働きません。プロゲステロンを投与しすぎることで、プロゲステロン優位又はエストロゲンとのバランスを欠いた状態になる事を防ぐため、当院では唾液検査でプロゲステロン/エストロゲン比を6か月ごとに確認しながら、プロゲステロンの投与量を調整していきます。
また、ストレス・偏った食習慣・肥満・運動不足・睡眠不足・甲状腺異常・副腎疲労も、ホルモンバランスを乱し症状を繰り返す原因となるため、同時にケアを進めていきます。
女性の一生のうちで、毎月決まった様に排卵するのはたった10~15年の20歳代初めから30代中頃までです。排卵が起こる事で、卵胞が黄体となりプロゲステロンを作ります。排卵がない場合、卵胞からプロゲステロンを作ることができないので、エストロゲンが十分にあれば、月経周期の終わりにエストロゲンのレベルが下がると月経が始まります。つまり、月経があるからといって排卵しているとは限らないということです。
月経血がだらだら続く、極端に出血量が多い・少ないなどの月経の質が、プロゲステロンが十分に存在する場合、より規則正しい月経と排卵周期をもたらします。
一般的に思春期前には排卵はなく、思春期の間は排卵する月もあれば、ない月もあります。プレ更年期に近づくと、排卵は再び不規則になります。
無排卵周期は、極度に運動している方、極端に低カロリー(あるいは低脂肪)ダイエットをしている方、極度のストレス下にいる方、または特定の疾患や疾患の治療中の方に多く認められます。
無排卵期は、体脂肪に貯蔵されているプロゲステロンを使いながら、周期がくるたびにエストロゲン優位・プロゲステロン不足へとさらに進んでいきます。特に体脂肪の少ない方は、その傾向が強く現れます。
そのため早期のプロゲステロンの補充や、プロゲステロン不足を増強させるストレス管理・栄養管理が望まれます。
排卵しても、卵胞(黄体)そのものがうまく機能していないと、プロゲステロンの生成が通常よりも早くに消失します。その場合は排卵したにも関わらず、エストロゲン優位の状態が月経の数週間前に再び起こることになります。それにより受精に至っても、受精卵から分泌されるHCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)が、妊娠黄体から着床を成立させるのに十分な量のプロゲステロンの産生分泌を促す役割を果たさなくなり、気が付かない間に妊娠維持が成立しなくなり、流産となる可能性があります。
そのため当院では、十分なプロゲステロンを産生できる様に、ナチュラルホルモン療法により卵胞を育てること・排卵周期を整える事をサポートしています。
プロゲステロンが正常なミネラルバランスを取り戻す一方で、レベルが高すぎるエストロゲンは、合成プロゲスチンと共に以下の様なミネラルバランスを乱す傾向にあります。
エストロゲン優位により、体内では血液中のミネラルである銅の保留と亜鉛の損失が起こります。亜鉛は銅を体内から排出する役割があり、体内の銅/亜鉛比が一定よりも高いと受精卵の着床率が低下することが報告されています。
また、銅/亜鉛比のバランスは、気分のコントロールやストレスへの反応を制御する働きとして脳細胞の酵素と関わりがあり、比率が高くなると、重度のPMSで悩む女性も体験しやすい怒りや、気分の揺れの大きさ、ふさぎへと繋がりやすくなります。
そのため、妊娠を検討されている方やPMS、その他ストレス過敏にお悩みの場合、早期のプロゲステロン補充によるホルモンバランスの回復と、ミネラルアンバランスを改善する新鮮な食材、漢方処方による必要があれば亜鉛・銅のサプリメント補給が望ましいです。
また、ピルは亜鉛を減らし、銅を増やす事が報告されているため、長期のピル服用には注意が必要となります。一般的に銅/亜鉛レベルは血液検査で行いますが、根本にエストロゲン優位の影響があることから、当院では唾液女性ホルモン検査をまずはお勧めしております。